日本人は、昔から里山に住んでいた。
集落とそれを取り巻く雑木林、人と自然が互いに係わり合って生きてきた。人が生きるシステムでありながら、全ての生物にとって良好な環境であった。
街区中央の860坪の共有地には、季節に応じたゾーニングを行い、“収穫の地”“彩りの地”“木の実の地”といった、暮らしと共に楽しめるランドスケープを計画しました。
もともと、この地にあった在来種の樹木を中心とした雑木林は、サトヤマヴィレッジでは、この地の風土・気候条件を元に樹種を選び、30種類以上、600本以上の樹木を植生しています。
花が咲き、若葉が芽吹き、紅葉し、そして実が生る。
どんぐり拾いや収穫が楽しめます。
道路と住宅のあいだには、マクラギテラス、サークルテラス、ツリーテラスがあります。
街区全体に合計6ヶ所設けており、各々特徴を持ったポケットパークとなっています。
ここは、住民のコミュニティ広場であると同時に、子どもたちの遊び場としても機能し、道を蛇行させて車の進入を制限するなどの工夫により、安全に安心して過ごす住まいが実現しました。
そのコミュニティ広場にある駐車場は、植栽樹木で覆うように仕上げることで、車も景色の一部となり、雑木林と住宅とテラスが緩やかにつながる楽しい空間に仕立てました。
街のあかりも環境のひとつとして計画しました。
サトヤマを柔らかく照らすライティングが夜の表情をつくります。
人と光、家と光、雑木林と光によって生み出される光景は、さながら森に佇む蛍のような日本古来の景色を思わせます。
また、各住宅の玄関には、陶器作家が一つ一つ丁寧にしつらえた門柱を置き、住民や訪問者を迎え入れます。
さらに、省エネルギーを意識した照明計画は、ガーデンライトやライトアップの器具点灯時でも、ハンドドライヤー1台分の消費電力です。